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ここでは地下水性の水源について取り上げます。 【参考】 地下水性の水源(1)地下水 Ground Water地下水とは,降水が地下に浸透して海まで流下する水のことで,自由水面を持つ表層地下水と持たない被圧地下水があり,前者を浅井戸,後者を深井戸と呼んで区別します。(あまり厳密な区分ではなく,井戸の構造によって区分する場合もあります。) 浅井戸の場合は表流水や伏流水と同じような水質と問題点を有します。深井戸による取水では,水質が安定し,濁度などが少ない清浄な水が得られる反面,温泉と同じく火山性の無機物が含有される場合がありますので,周辺の井戸との比較や水質のチェックは忘れず行いましょう。
【備考】 (2)湧水 Spring Water湧水には名水として名高いものが多く,一般には清廉なイメージがあります。水道原水として使用するのであれば,水質的には非常に良好であるケースが多いと思われます。 しかし,そのまま飲むのであれば話は別です。名水百選に選ばれるような水源でも大腸菌類が検出され病原性を有する細菌が検出されたケース(滋賀県泉神社の湧水)もあるようです。また,普通に山中で沸いている湧水にも,大腸菌などが検出されるケースは結構多いものです。一部を除いて,大腸菌そのものには別段毒性はありませんが,大腸菌の存在は,糞便性の汚染が水源に達している可能性を示唆するものなので,油断は大敵,ってとこですね。 さらに,場合によっては,温泉水と同様の無機物を含むなど,良好な水源でない場合もあります(実際筆者も無機イオンのオンパレードのとんでもない水源を扱った経験がありますが,見た目は清廉そのものでした)。 このほか,上流域での井戸取水により枯渇するケースがありますので,湧水に依存した水道を設計する場合には普通の井戸よりも慎重な審査が必要と考えられます。湧水からの取水施設はほとんど必要なく,そのまま着水井やポンプ井に導くことができますが,湧水を集めるために堰や渠などを作る場合,付近の地下構造を乱さないよう細心の注意をはらう必要があるそうで,下手をすると湧水の水道(みずみち)が変わってしまうことがあるそうです。
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詳細は訪問記(リンク切れ)をどうぞ。宮古島の琉球石灰岩の層にたまった雨水が,断崖から湧水となって流出してくる点(1枚目の写真)で,ふるくから上水道の水源として大切に運用されています。ここの水を地下の水路(2枚目,3毎目の写真)を通ってポンプ施設に導入される,という形式です。 【備考】 |
目次備考・出典更新履歴
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