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配水施設の中核施設,配水池について取り上げます。 【参考】 配水池の設計1)はじめに配水池の能力は,主としてその容量と水位で決まります。特に,配水池の容量の算定は,配水池の設計を行う上で最もキーになる事項です。これら,配水池の能力を決定する手順について以下に示します。 なお,03年02月,配水池の設計ソフトの会社(英語)から売り込みのメールをいただきました。内容については私の英語力では確認はできませんが,このようなアプローチもおもしろいと思いますので紹介します。
【備考】 2)容量計算配水池の容量は,通常、需要水量×滞留時間と消火用水量から計算します。 配水区内で想定される需要水量は計画配水区域内人口×一人一日使用水量(有収水量ベースでないことに注意)で計算するのが一般的です。ただし、他の施設への送水分などを含んでいる場合については、その分の容量を別途加算する場合があります。 配水池の容量計算についてはいろいろな考え方があって複雑なので、別のページにまとめました。こちらをご参考ください。
【備考】 3)配水池の水理条件配水池から水を送り出す方法には,ポンプ圧送と自然流下があります。 ポンプ圧送はその名のとおり,ポンプで配水池から水を送り出す方式で,平地に配水池を設置でき,送水圧の調整が可能なメリットがありますが,ポンプを使用することによる水撃圧対策,停電時や故障時への備え,管理を前提とした運転,などが必要です。通常,高台がない広い平野部や,配水池,配水区が大きくなりがちな大規模な水道で採用される方式です。 自然流下では,タンクの自然水位を利用し,水の位置エネルギーによって上から下に流す方式で,配水池の設置場所の吟味や需要変動への備えなど計画時点での苦労があるものの,運転はポンプ圧送方式よりもずっと容易です。通常はこの方式が望ましいものとされています。
うーん,配水池の設計思想も国によってまちまちのようですねぇ。海外視察に行った時も感じましたが,やっぱ外国を見に行くのはいいことだ,うん。 (2)配水池の水位条件 配水池の水位にはいくつかのチェックポイントがあります。
【備考】 4)構造物としての設計条件(1)配水池の形状 配水池の形式にはRC,PC,SS/SUS,パネルなどがあることは別ページに示したとおりです。各形式ごとに形状の決め方のコツを示します。
RC配水池の場合,構造が自由に決定できるのが魅力ですが,立方体に近い方が資材費を小さくでき,高さは4mを超えないこと(型枠や支保の問題から)としたほうがコストを抑えることができます。また,水槽と付帯設備の建屋を一体型としてトータルコストを下げることができます。 PC配水池では原則として地上型になります。高:幅=1:3となるような形状が最も経済的とされています。また,エアドーム工法という,支保を必要としない工法も開発されていて,工事費と工期の削減に役立ちます。パネル上のPC板をくみ上げる工法も開発されています。PCタンクの弱点はその天井部分なので,この部分の処理工法がさまざま提案されているわけです。 鋼製タンクを使用する場合は,あまり形状にかかわらずデザインできますので,デザインを全面に出して数案提案するといいでしょう。建築屋さん的センスのある人が担当すると,ランドスケープとしてすばらしい配水池ができます。団地や公園の敷地内に設置する場合はなおさらです。デザイン案を数案提示して,クライアントと協議を持ちましょう。 このほか,敷地の一般開放を前提に設計する場合(配水池上部の展望台化,敷地内の公園化)は,デザイン上の統一感を大切にしましょう。専門の公園屋さんと手を組むのも一つの見識です。管理棟をもつような大規模な施設では,複数ある池や管理棟などとのバランスをイメージしながら施設を配置するセンスが重要です。 (2)配水池の仕上げ
昔の設計指針には,RC配水池内の温度変化を抑制するなどの目的で,50cm程度の盛り土をして張芝を施すことを推奨していたそうです。現在でも一部にこのような配水池が残っていますが,上載荷重が大きくなるため,現在ではこのような設計はほとんど行われなくなりました。 シンプルで安く仕上げたい場合は打ちっぱなしとすることが多く,コストも比較的安価となるうえ,仕上げ工程によってごまかすことをしにくくなるという意見を聞いたことがあります。なんたって水密施設ですし、しっかり施工しているかどうかは通常の構造物よりもかなり重要なチェックポイントなのですね。 逆に,特に外見上こだわりがある場合,化粧型枠などを使用して,おしゃれに仕上げる場合もありますし,贅沢にもタイル張りとなっているような池をみたこともあります。 なお、PCタンクの場合,どうしてもピラスターが目立ちますので,この部分のデザイン上の処理が重要になります。 コンクリートは耐候性に優れた材料なので,打ちっぱなしで無処理でも長期間の使用が可能ですが,雨などでぬれた部分に筋状の汚れができるのは避けられません。特に,斜壁(上面と下面の厚みが違う壁)についてはどうしても着色します。雨水が流れ下る水道を切っておくことで,雨の通り道を作り,将来雨による着色が広がらないようにする,などの工夫をしておくとよいでしょう。 【備考】 |
目次配水池の設計 備考・出典
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