水質検査設備 |
Equipment of Examination |
ここでは,水質検査に使用する機器やキットについてとりまとめました。大物のページと小物のページを分離しました。
- 機器分析用装置 (俗にいう「大物」)
吸光光度計(大物とはいえませんが) 原子吸光光度計 ICP GC−MS イオンクロマト HPLCなどはこちら。
- 測定キット
ELISAキット,大腸菌測定キット,携帯用簡易測定機器
一般検査機器
1)顕微鏡
小さなモノを見るためには必要です。義務教育で使い方を学びますので,簡易なものならだれでも使えます。
(1)実体顕微鏡
目に見える異物やプランクトン調査に使用。値段も相応なので一台は保持しておくとよいでしょう。
(2)位相差顕微鏡(1000倍位まで拡大できるもの)
主に400倍や700倍を使い,水道水中の植物性(動物性含)プランクトンを検鏡するためのものです。浄水処理において過閉塞を起こすプランクトン(アオコを含む)の検鏡や,大腸菌の分析における完全試験(染色したプレパラート)に使用できます。(1000倍)(大腸菌コロニーの検鏡)
(3)電子顕微鏡
水道水(蛇口等)から流出した異物の調査など,位相差顕微鏡で検鏡できない小さなものの観察が可能になります。X線アナライザー付(FTIR付)が理想ということですが,使いこなせます?視認による同定には相当の経験が必要ですが...
【備考】
2)周辺理化学機器
使用頻度の高いものなど。そんなに高くないんで,必要数を用意しておきましょう。
(1)採水用装備
水質試験の採水には様々な水汲み用品を使用します。ひしゃくや紐付バケツが一番簡単なんですが,これらの道具では基本的に表面の水しか採取できません。よって,必要に応じて様々な採水用品が使用されます。
中水深の水を分離して採水するための採水器。紐の長さで深さを測り,所定の深さまで来たところで錘をおとしてトリガーを作動させ,ゴムの力で採水筒を閉じます。こうして,必要なポイントの水を採取するわけです。
(2)各種天秤
試薬の調整に必須。電子天秤を2台程度用意しておくとよいでしょう。右の写真は電子天秤の例です。
電子天秤は,現代ではこのような自動秤量式を使うのが普通です。ただし,大量で重量がある場合や,遠心分離管を使う場合などは,小学校にあるような重力式の上皿天秤等を現代でも使用します。
(3)ウォーターバス
蒸発残留物,COD,水銀の分解などに使用します。CODMnの測定は今後はやらなくなくなるのかなぁ...
(4)ホットプレート
重金等の濃縮や分解に使用します。操作と温度維持が簡単なので電気式のやつを使うようです。まあ,慣れれば市販品でも使いこなせるようで。
(5)振とう器
フェノールやABSの抽出に使います。まや,生物分解試験などで使用する場合もあります。まあ,必要であればどうぞ。
(6)遠心分離器
試料の前処理として懸濁質の分離などに使用します。これは必須でしょう。人力のもありますので,安くしたければこれを使ってください。
(7)各種の炉,滅菌器,孵卵器
大腸菌,一般細菌などに必要。高圧水蒸気がま(オートクレーブ),乾燥恒温槽まではまず必須。このほかにもバーナー,ピペット滅菌器,紫外線乾燥器など,いろいろあるので必要に応じてどうぞ。
順に,電気炉(数百度,強熱用),オートクレーブ(百度+蒸気,滅菌用),高温乾燥機(加熱乾燥用),孵卵器(細菌等培養用),デシケータ(放熱乾燥用),冷蔵庫(サンプル等保管用)と並べてみました。基本的に温度順に並んでおります。

【備考】
3)その他の機器
水源環境の本格的な分析研究を考えるのであれば,以下のような機器についても検討してみてはいかがでしょう。そうそう使う機械ではないですが...
(1)残塩計
携帯型の残塩測定装置は水道では必須です。私も買ったことがあります。
(2)pH計
これも携帯可能なものが使いやすいです。ただし,矯正には注意のこと。
(3)分光光度計
フェノール,ABS(アルキルベンゼンスルフォン酸),色度などの測定に使用。ガスクロほどではないですが,大物の部類に入るでしょう。
(4)水銀計
水銀の測定が容易にできます。こちらも大物。水道原水ではあんまり水銀が問題になることはないのですが,水銀対策調査,汚染除去事業などの場合は有効。
(5)TOX計
原水の汚染指標,TOXの測定を専用で行う設備。あると便利といった感じですが,水道としてはお好みですねぇ。
【備考】
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