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ダクタイル鋳鉄管について記述するページです。いろんな人に教わった話や自分の経験を集めてありますが,間違いなどあるかもしれません。鉄管屋さんの反論ご意見大募集!
【参考】 ダクタイル鋳鉄管の概要1)ダクタイル鋳鉄管の概要ダクタイル鋳鉄管のダクタイルとは球状のこと。鋳鉄管材料は鉄と炭素の混合物ですが,この炭素が球状になっているため,鉄と鉄との間に炭素が筋状,膜状に入り込みにくく,機械的弱点ができにくいのが特徴です。 昔の鋳鉄管はこういう技術がなかったのでもろかったりしたのですが,鉄材料がダクタイル化されてからは,それ以前と比較して非常に強固な管材料になりました。現在の水道管の主力材料の一端を占めています。 2)ダクタイル鋳鉄管の種類ダクタイル鋳鉄管の分類についてまとめてみました。 (1)継ぎ手 ダクタイル鋳鉄管の継ぎ手の種類について紹介。東京都の研修センターで実物の写真をとってきましたので,これを紹介してみたりしますね。なお,各受け口の詳しい情報は協会のページなどに掲載されていますのでそちらを参考のこと。
現在耐震性能の高い管種としてはNS形が主流ですが,若干他の管種より設計時に注意すべき点があります。ただ,私は管路の設計を自分でやってたのは10年前まで,ちょっと設計思想が古いかもしれないので,間違いがあるかもしれません。乞うご指摘。
(2)ライニング ライニングとは,鉄でできた管と水が直接接触するのを防ぎ,錆びなどを防止するための塗装のようなものです。 現在水道用で使用されるのは,モルタルライニングとエポキシ粉体ライニングの2種類です。モルタルライニングは直管の遠心力鋳造と近い工程が利用でき,鉄とモルタルとの相性がいいほか,価格も少し安いのが利点です。エポキシ粉体塗装では,粉体の吹き付け塗装なのでどのような形状でも施工できますから,異形管はこの方法を使用します。 また,水の流れがほとんどないようなところでモルタルライニングを使用すると,モルタルの影響で中の水がアルカリ性になる場合がありますので,このようなケースでエポキシ粉体ライニング管を使用することもあります。このpHの上昇現象は新管でも一時的にみられ、原水にもよりますが、pH9程度、瞬間的にpH11程度まで上昇した例の相談を受けたことがあります。管の布設時の洗管作業はしっかりやりましょう。 なお,昔はタールエポキシなどのライニングを使用された時代もありましたが,タールはちょっと口に入れるものに使うのはやなので,現在ではもう使いません。 (3)形状 大きく分けて直管と異形管の2種類に分かれます。前者は遠心力を用いて鋳造するため精度が高いうえに延長あたりのコストが低く,後者は鋳型を使用するので自由な形状で製作できます。切管として使用するときなどは,基本的に直管をつかわないといけません。 異形管には,使用頻度などに応じて1種,2種,3種,及び特殊異形管があります(この数字は肉厚とは別です)。それぞれに単価が異なり,口径とトンあたりのお値段で計算します。(建設物価調査会,「建設物価」より)
異形管は,特殊な形状でなくとも,災害復旧のときなどに資材の調達に時間を要する可能性があるので注意しましょう。特に,2種や3種はその可能性が高くなります。さらに, 鋳鉄特殊管(必要に応じて鋳造する管)を使用することも可能で,値段は重量単価なのである意味リーズナブルですが,メーカーから約6ヶ月の製作期間を要求されますので注意が必要です。 また,口径によっても調達の難易に差があります。φ200を超えると,50刻みのたとえばφ350mmなどの管は納品までの時間が長くなる傾向があるそうです。 (4)管厚 管の強度は肉厚で決まります。もっとも分厚い強度の高い管を1種管といい,これから数字が大きくなるに従って,管厚が薄くなります。口径によっては1.5種,2種,2.5種...と0.5刻みで上がっていきますが,通常使用するのは1種,3種のいずれかでしょう。通常使用するような小口径管(φ150mm以下)であれば,機械的強度が十分ありますから,3種管で十分なケースがほとんどです。ちなみに,異形管には種類はありません。 【参考】 |
目次ダクタイル鋳鉄管とは 備考・出典
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