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貯水池とは,原水を貯留するための池のことで,水道用としてこれを持つことにより,水源の運用の柔軟性が飛躍的に向上します。多くの水道事業体のあこがれですが,現代ではこれを建設することはほとんど不可能でしょう。なお,水源ダムは通常は水利権を得るための施設で,貯水池と似ていますが,その運用は少し異なります。 【参考】 貯水池 Reservoir1)貯水池とは貯水池とは,主として水道用の原水を一旦貯留することのできる構造物で,その容量の大きさから,自然の池を利用したり,ダム状の構造物だったりすることが多いです。
2001/04 東京都の山口貯水池の工事現場を見学させていただき,写真を多数取らせていただきました。 現場はオオタカの営巣が発見されるなど,良好な生態系が維持されており,水源保護の取り組みがそのまま自然系の保護につながったものと考えられます。工事もこの点に最大限の配慮がなされており,猛禽類の営巣が確認されたために3ヶ月工事の一部がストップしたこともあったそうです。 戦時中は,貯水池は重要な戦略施設になります。(災害のページ参照)山口貯水池では,約2メートルの耐弾層を設け,さらに破壊されたときにハザードマップを作成していたとのこと。当時の土木技術の粋を集めて造られた施設ですので,現代の技術からみれば過剰施工な部分もあるものの,非常に丁寧な工事の後が発見されたとの話が印象的でした。これは古い施設で一般に言えることです。
2003年7月訪問。PC作り半地下(地下部分6mとか)で,40,000m3の貯水能力があります。PCの場合ドーム型の屋根が多いのですが,ここは柱を設けて支えているそうです。訪問時は満々と透明な水を湛えておりまして,水深6mなのに底がはっきりと見えました。まるで浄水のようでした。 貯水池の効能ですが... 水源の水質は,特に表流水において刻々変化します。貯水池を大きく持っておくことで,このような水質の変化に対して安定的な水質の確保が可能になります。高度に管理された水道では,特に水質が悪化した時期の取水を停止するなどの方法で,原水水質保全用としても役立てているケースがあります。(北九州市など)また,事故などにより水源が汚染された場合にも有効です。 ただし,どうしても大きな用地が必要であり,国内では貯水池を新設できる事業体はほとんどないでしょう。また,特に小さな池などで管理が行き届かない場合,生活排水や農業肥料,農薬などの侵入によって汚染がおきる場合もあります。農業用水としては多少水質が悪化してもあまり困らない(その割には農水の水質基準の窒素濃度は1.0mg/Lだが)ので,農業用水のため池との兼用や流用の場合には特に気をつけてください。 2)貯水池の容量単純に言えば,大きいいほど運用は楽です。といっても,「無駄」は許してもらえませんよね。貯水池の容量の目安は以下のように考えています。
原水調整池と貯水池の間に厳密な区分はありませんが,前者は取水の一時的な貯留を想定しているのに対し,後者は比較的長期間の貯留を想定しています。特に,後者では水稲栽培に大量に水を使用することと密接に関係している点が特徴です。 他の貯留・滞留施設の容量については以下のページを参考にしてください。
【備考】 |
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