水道技術経営情報
 コンサルタントの水道技術経営パートナーズが運営する、水道技術や経営の情報サイト「狸の水呑場」へようこそ。お問い合わせはこちらへ。
Powered byGoogle

ホームページ作成の経験から How to Make your Hompage

 このページを作りながら感じた水道事業体が広報用のホームページを作成するときの注意について少し整理します。(あたりまえちゃーあたりまえのことしか書いてませんが。)ホームページ作成の経験を整理してこちらに総括することにしました。

【参考】
2001/06/13 環境衛生工学への寄稿分を置いとく場所がほしくなったので。


ホームページ作成の注意

(1)全体の構成について

 ここでは,ホームページを構築するための全体的なイメージについて取り上げます。

1)アクセス速度に配慮すること。

 何より大切なのは軽い(アクセスが早い)ことです。編者の作業は優れたネット環境で行っていますが,それでもアクセスが遅くなるような重いサイトでは,一般の人が見てくれるとは思いません。視覚的に優れたページはいいのですが,大きな画像やアニメーションを多用するのは避けるべきではないでしょうか。

2)容量は多めに

 国土交通省が河川情報のサイトを開設したところ,アクセスが急増してサーバーダウンに陥った事件がありました。また,天候不全による渋滞情報など,災害に関連する重要な情報ほど,アクセスが集中して閲覧できないケースが多くなります。

 水道事業体のサイトにアクセスがあるのは,その事業体でなにか重篤なトラブルがあった場合が多いものと考えられます。このような情報について,迅速にアップするのはもちろんですが,容量を大きくしたり,ミラーサイトを設定するなどして,非常時のアクセスを十分できるように心がけましょう。

3)事業体名(特に都道府県)を目立つように

 よくあるのが,「○○市水道局のページ」となっていて,都道府県が記入されていない場合です。他の地方の人が見たときに,どこの事業体かわからない場合があります。

4)耳目を引く項目を前の方に持ってくること。

 自分への戒めですが...見てほしい情報と知りたい情報はかみ合わないものです。料金体系や給水栓水異常,問い合わせなどの需要者が知りたい情報へは容易に飛べるように。そして,知っていてほしい情報にはこのようなところから飛べるようにすること,などが有効かと思います。

 類例として,井戸異常時の対応方法震災時などにどこへ行けば応急給水が受けられるかの情報,水源状況の情報涵養林事業の情報,などが受けがいいようです。原発の町であれば原発関連なんか取り上げる必要があるかもしれないですね。工夫の余地があります。

5)手作り感を出すこと。

 はじめから全部作ろうとしないでいいです。少しつくってみてからどんどん追加更新する方がよいでしょう。個人のサイトほど勝手な実験はできないかもしれませんが...

 プロに任せるときれいにはできますが,かえって「ありがち」な,どっかの企業のページみたいになってしまいます。事業体の手作りの部分を必ず入れてください。

6)双方向を意識すること。

 需要者が知りたい情報の公開について配慮が必要と思います。たとえば,筆者がいままでに一般から受けた問い合わせの筆頭は,「消毒塩素及び副生成物の安全性」に関する問い合わせでした。しかし,このような情報を掲載しているサイトは,事業体のサイトではほとんどみつかりませんでした。

 リンクでよいので,需要者の知りたい情報へのリンクか,メールなどへの問い合わせの回答者を確保しておくことが理想的です。アンケートを設定する場合でも,意見募集というより,需要者が知りたい情報のやり取りを想定してください。情報は,情報を発信するところに集まります。

7)とんでもない質問に覚悟

 一般の方からの質問には,たとえば「水道ってなんですか」のように答えにくいもの,「あなたの給料はいくら」のようにプライバシーにかかわるもの,「水道水はなぜ汚いのですか」というように妙な先入観に基づくものなど,困った質問が多くくる可能性があります。また,掲示板の場合,特定のグループが専横しはじめてしまったり,EQ上問題のある書き込みについて喧嘩が始まったり,とパブリックサイトとしてあるまじき行動をとる人が出てくる可能性があります。ある程度は覚悟しておいてください。

【備考】

(2)コンテンツ作成上の注意

 コンテンツ(内容)の作成上の注意点を取り上げます。私のページを作成した経験から得た情報も含んでいますので,まあご一読ください。

1)アクセスの制限をしない

 アクセスの制限を設定しているサイトを時々見かけますが,特に公共サイトではお勧めできません。制限されていると,悪いやつほど入りたくなるものですが,事業体のサイトであれば特にその傾向が強くなります。

2)リンクも自由に

 リンクについても制限を設定するべきではありません。YahooやGoogleなどの有名な検索サイトに登録するのはよくて,マイナーなサイトから見にきてもらうのはだめ,なんてのは道義的にも問題がありますが,技術的にも無意味です。インターネット上で一般公開している以上,だれもが見にこられるサイトであることは最低限必要なことです。詳しくは以下のサイトを参考にしてください。

3)時事報道記事の利用は難しい

 時事情報を掲載したいところですが,新聞記事をそのまま掲載することは,一般に新聞社の許可を得ることは難しいようです。著作権法の規定では,「事実の客観的な報道に対しては著作権は発生しない」という規定がありますが,特に一般新聞社は,自社の記事を,「事実の客観的な報道ではなく,自らの著作である」との見解を掲げており,この規定を準用して記事情報を利用することは難しいようです。実際,マスメディアの報道では,あらかじめ取材前にストーリーを決め,それに適当な事実を貼り付けていく手法が一般的です(一度取材を受けてみるとよくわかります)ので,「事実」ではなく「著作」である,という主張は案外的を得ているのかも知れません。

 業界紙の場合はもう少し柔軟なようで,業界の向上という目的に合致する場合,頼めば認めてくれる場合があるようです。事業体であればその可能性はあるでしょう。

 まあ,著作権は,そもそもその意匠や芸術的表現を規定するものなので,新聞報道を根拠にしつつも,自分の言葉でそれを表現すれば,文句なないんではないでしょうか。

【参考】

(3)見てもらうための工夫

 せっかく作ったページ,なるべく多くの人に見てもらいたいのは当然ですが,事業体のページであれば遊びではありませんので,利用がない,というのは実際大きな問題になりかねません。

1)ヒットカウンタを設けること

 これがまず第一歩です。カウンタがないと,見てもらっているのかどうか全くわかりません。逆アクセスのチェックをするかどうかはお任せしますが,やる場合はどっかに明示しておくべきでしょう。

2)継続的に更新すること

 工事情報などは重要ですが,これを見てもらえる仕掛けがないとせっかく掲載してもみてもらえません。アップデート日を掲載したり,新着情報のフラッシュ(ぴかぴか光って目立つアイコン)を設けたりして,定期的にアクセスしたくなるような仕掛けがあるとなおよいと思います。

 作成者側も,定期的なアップデートが必要であれば,サイトの更新を忘れず行うことができます。日記やコラムなど,定期的に更新する,定番記事を作るのがよいと思います。始めのうち,たとえば内容が1しかないときにこれが2になるのは大きな満足感がありますが,同じ手間をかけて100が101になっても,あまり楽しくありません。このようなとき,定番記事を作って習慣化してしまえば,継続運用も楽になります。

 継続的に更新するための仕掛けは現在研究中ですが,(1)定期的に更新するコラムをつくる(2)様式の整理など,全体を見直す変更をたまにやる(3)見てくれる人を確保する,掲示板がベスト,などの方法が考えられます。このページのモットーも,継続と整理と好奇心ですしね。

3)少なくとも表紙は移動せず続けること

 継続更新もそうですが,かなりの数のサイトは数年で閉鎖されたり,容量不足で移転したりします。この時点で,それまで営々として築いてきたストックが一旦リセットされます。よって,なるべく表紙だけでも移転せず続けることが重要と思われます。



目次

ホームページ作成の注意
ホームページ作成のノウハウについて。


備考・出典


更新履歴

  • 120806 新様式で作成


WaterPartnersJP all rights reserved >>index >Top