災害の概要

• 場所　静岡県
• 時期　2022年9月23日に発生した台風15号が24日に温帯低気圧となりながらも大雨による水害と土砂災害をもたらす。
• 分類　台風による水害・土砂災害

　令和4年9月23日9時に室戸岬の南約300 キロで発生した台風15号は、近畿地方、東海道沖を北東に進み、夜には愛知県と静岡県で線状降水帯が発生し、特に静岡県では顕著な大雨に関する気象情報を発表された。24 日9 時に東海道沖で温帯低気圧に変わった。
　24時間降水量は、静岡県静岡市駿河区静岡で419.5ミリ等を記録し、浸水や土砂崩れの被害が起き、静岡市では土砂崩れで鉄塔が倒れたことによる大規模な停電も発生した。

被害の状況

水道が受けた被害

• 水源地土砂流入による取水不能。
• 水管橋落橋。
• 土砂崩れによる管路破損。
• 山崩れで送電鉄塔倒壊に伴う、停電による運転停止。

水道による二次被害

• なし。

対応と対策

平時の備え

• 地域防災計画に基づく災害対策本部の設置。（ただし、部署間の連携に課題を残す）
• 他事業体との応援協定による応急給水。
• 事業者との協定による飲料水提供。
• 耐震性貯水槽。（ただし、存在を忘れられて、使用されなかったところも。）

応急対策

• 被災事業体で対応しきれない分は、日水協を通じた又は応援協定に基づいた他自治体や清水管工事システム協同組合や、民間からの応援や、自衛隊の支援で対応。ただし、地域防災計画上の応急給水量以上の生活用水を含む水量に臨機応変に対応したため、拠点での給水活動への負担が増大し、医療機関や普段上水道を利用していない区域への応急給水に必要な給水車を配備できない事態も。
• 水管橋落橋に対しては。道路橋への仮設配管により仮復旧。
• 最も断水戸数が多い、静岡市承元寺取水口閉塞に対しては、復旧まで予備水源の八木間取水場をフル稼働するとともに、静岡県「ふじさん工業用水」から緊急受水。
• 山間部に手が回らず、ボランティアが水等の支援物資を届ける。
• 広報について、水道局の電話回線が問い合わせでパンクしたり、インターネットが使えない人への発信が不十分等、被災者からの批判あり。SNSによるデマも。

抜本対策

• 静岡市承元寺取水口閉塞に対しては、単一水源克服のため新水源の確保の調査業務等が行われることとなり、有識者会議「清水地区水源検討部会」を設置。

教訓

• 災害対策本部設置基準の再検討、発災初期における情報収集体制の強化を行う。
• インターネットが使えない人向けに、自主防災組織を通じた情報発信、避難所に災害情報表示用の大型モニターの設置や、広報車の活用、コールセンターの設置を行う。
• 想定する災害の規模（区域）、被災範囲（施設などの被災状況）、ライフラインの状況（電気・通信・交通）などを設定し、各設定に基づく応急給水のあり方（給水量、拠点の場所、駐車スペース、給水方法など）を検討する。

（教訓は、静岡市「台風第15号に係る災害対応検証最終報告」より抜粋。）

災害データベース

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• 被害の状況
• 対応と対策

備考・出典

• 事故事例データベースに記載。詳細レポートのお問い合わせはこちらへ。

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更新履歴

• 230614　作成。