災害の概要

• 場所　胆振地方東部を震源とした北海道一円
• 時期　2018年9月6日被災、収束まで約1ヶ月間。
• 分類　地震

　平成30年9月6日にM6.7の地震が発生。厚真町で震度7、安平町、むかわ町で震度6強を観測。北海道電力の苫東厚真火力発電所（厚真町、出力165万キロワット）によるブラックアウトで道内全域が停電した影響で大規模断水となったほか、揺れの大きかった地域で施設の被害があり断水に至る。最大断水戸数は68,335戸。

被害の状況

水道が受けた被害

• 停電による断水が広範囲ながら、6〜10日の5日間で解消。
• 札幌市清田区里塚地区、液状化でK型・T型ダクタイル鋳鉄管の最大伸び量を超えて抜け出し断水。
• 厚真町富里浄水場、土砂崩れで損壊。
• 安平町北進浄水場、自家発の燃料配管が外れ浄水停止。水源のトキサラマップ川が土砂崩れにより河道閉塞で取水量不足や濁水。
• 厚真町、安平町、日高町、平取町で管路破損。硬質塩化ビニル管の被害多数。

水道による二次被害

• なし。

対応と対策

平時の備え

• 平成29年度に日水協北海道支部が全道対象に実施した災害時相互応援訓練が生かされたとの評価。
• 日水協北海道支部が結んだ災害時相互応援に関する協定では、調査隊の派遣や、現地災害対策本部の設置といった、支援について定める。

応急対策

• 日水協を通じた他事業体と自衛隊より支援。
• 日水協、現地対策本部を設置し調査・復旧支援。
• 厚労省リエゾン派遣。
• 札幌市ではOBの災害時支援協力員24人が応援。
• 札幌市サービス協会や札幌市管工事組合、延べ526人が厚真町・安平町で活動。
• 厚真町、休止したばかりの新町浄水場を再稼働させて応急措置。
• 燃料確保の困難も発生。あらかじめ石油業協同組合と結んだ協定に基づいて供給を受けたり、ガソリンスタンドに連絡して一定量の燃料を確保してもらう等対応。

抜本対策

• 計画について不備の情報はないが、北海道庁は水道施設台帳、BCP、危機対策マニュアルの整備について指導・助言を行なうとしている。
• 12月14日に閣議決定された「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」で、基幹となる取・浄水場を対象に土砂災害対策や停電対策を行なうことに。
• 厚真町富里浄水場では、復旧の前に北海道が急傾斜地崩壊対策事業実施。
• 北海道庁は管路の更新・耐震化を促進するとしている。
• 札幌市、H31予算で被災地区の枝線・補助管耐震化に6.22億円。

教訓

• SNSで断水情報のデマが拡散し、住民からの問い合わせが殺到。事業体が打消しの広報を行なうこととなり、北海道庁は正確な情報の発信のあり方を検討する必要があるとしている。
• 電力はブラックアウトによる支障大。水道施設運転停止の他、遠方監視不能で職員が現場を回ったり、薄暗い非常灯下での対応となったり、シャッターが開かず公用車が使えなくなったりした。
• 2系統受電にしたので自家発電を廃止した結果、今回断水になったところも。
• 石狩市上下水道部長の体験談として、少ない職員が使命感から力量以上の仕事をしがちで、疲れ果てたことによるミスのリスクがあったと。一つのことにこだわりすぎず、平常心を持って、時間感覚とバランス感覚を維持することが難しかったとの話。

災害データベース

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• 被害の状況
• 対応と対策

備考・出典

• 事故事例データベースに記載。詳細レポートのお問い合わせはこちらへ。

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更新履歴

• 190319　作成。