環境基本法と水質汚濁法 |
Basic Law Environmental Pollution Control |
環境基本法のうち,水質汚濁に関連する部位について要約しました。法律関係は疎いので参考書と首っ引きです。
環境基本法の要項
環境基本法
公害対策基本法を発展的に引き継ぐ形で平成5年度に公布施行されました。水環境関連での重要な概念は以下のとおりです。
- 環境基本計画と公害防止計画
総理大臣が閣議決定により環境基本計画を策定すること,総理大臣が基本方針を示して都道府県知事の意見を聞いた上で公害防止計画の策定を指示することなどが規定されている。
- 環境基準第(16条)
国,地域,水域全体の目標を示すもので,水濁法などで設定されている排出基準とは異なる概念である。常に適切な科学的判断に基づいて必要な改定がなされなければならないとの規定にもとづき,毎年国会に環境白書として報告される。 環境基準は以下の二種類に大別される。
- (1)人の健康の保護に関する基準
全国一律,設定後ただちに達成され,維持されることとなっている。ほとんどは達成されている。
- (2)生活環境の保全に関する環境基準(公共用水域のみ)
河川,湖沼,海域ごとにそれぞれ異なる基準値をあてはめる。どこにどの基準をあてはめるかは,「環境基準に関わる水域及び地域の指定権限の委任に関する政令」の別表に掲げる公共用水域については政府が,その他については都道府県知事が行う。段階に応じて速やかに達成する,5年間で達成する,段階的に目標にちかづく,の3種類のアプローチが認められているが,閉鎖性水域を中心に未達成となっているのが現状。
- 要監視項目
人の健康の保護に関する基準に準ずる項目で,引き続き知見の集積に努めるべき物質として22項目が指定されている。
水質汚濁防止法の要項
水質汚濁防止法
工場や事業場を対象に水質の汚濁を予防,あるいは被害が発生した際の補償を目的とした法律。特定施設から公共用水域に排出される水(排出水)と特定地下浸透水が対象です。
- 排水基準
許容限度を濃度で規定。公共用水域が対象。一律基準と上乗せ基準(推計を指定して都道府県が環境庁長官と関係都道府県知事に通知したうえで条例で定める)がある。都道府県知事は毎年,測定計画に基づき汚濁の状況を公表すること,緊急措置を講ずることなどが規定されている。 特定施設に対する排水基準の遵守措置には,特定施設設置前の届出と計画変更命令,特定施設設置後は改善命令と違反への罰則がある。その他,報告徴集,立入検査,自己測定,測定結果の3年間保存,排出方法を適切に改善すること,事故時の応急措置と届出,浄化命令等が規定される。自主測定頻度は水量や都道府県によるが,1ヶ月に1回〜3ヶ月に1回程度で,窓口は環境管理課や出先事務所などで,都道府県による。また,過失がなくとも人の生命,身体を害したときには賠償する責任を負う。
- (1)健康項目 一律基準,有害物質24項目が規定。
- (2)生活環境項目 一律基準,BODやCODなど16項目について最大値が規定。平均的な排出水の量が50m3以上の工場及び事業場に対して適用され,総量排出基準がkg/日単位で設定される。
- 総量規制基準
東京湾,伊勢湾,瀬戸内海のCODが対象で,水量×濃度の総量ベースで規制される。 遵守措置における排出基準との違いは,届け出の有無に関わらず指定地域内の事業全体を対象とした規制ができる点。
基準そのものについてはいろいろサイトなどもありますのでググッてみてください。
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