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トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン TCE

 各物質に関する情報をとりまとめたコーナーです。片っ端から集めた情報を載せる予定です。


水道への影響

1)水質基準項目

  • テトラクロロエチレン 0.01mg/L
  • トリクロロエチレン  0.03mg/L

 テトラクロロエチレンは通称パークレン,トリクロロエチレンは通称トリクレンと呼ばれ,似たような用途,性質を示します。

2)毒性や障害

 トリクレンは高濃度で嘔吐,腹痛,一時的意識障害など。発ガン性はあるのではないかと疑われる(IARC3,USEPAB2,大腸菌等で変異原性微陽性)レベルです。

 パークレンは高濃度で嘔吐,腹痛,一時的意識障害など。発ガン性は明確な証拠はないがあると思われる(IARB2,USEPAB2,大腸菌等で変異原性陰性)レベルです。

3)汚染原因

 ドライクリーニングや金属類の洗浄用材料として過去に大量に使用されました。比較的新しいのが集積回路等を生産するハイテク工場からの汚染ですが,近年では規制が強化されたこともあり,常時の排出は減少しています。ただし事故による流出は継続的に観察されているようです。

 表流水では比較的容易に揮発し,空気中で光化学反応により分解します。地下水中では揮発しないため容易には減少せず,比較的頻繁に地下水の汚染項目として顕在化します。有機物の含有量が多い土壌の場合は土中に滞留しやすくなります。嫌気状態においては微生物によって除々に分解されますが,その速度は非常にゆっくりです。トリクレンの方が比較的速やかに揮散し,また分解されやすいようです。

 水道原水での検出頻度は最も高い部類の一つといえますが,水系への排出は顕著ではありません。これは揮発性があるためと考えられます。

4)処理方法

 一番ポピュラーなのはエアレーションによる方法。比較的安価なのが売りです。

項目 活性炭による方法 エアレーションによる方法 膜処理による方法
概要と原理  TCE等が水に対して微溶〜難溶であることを利用し,活性炭吸着する。  TCE等が高い揮発性を有することを利用し,空気との気液接触により気相に移転させ,水相から除去する。  膜の孔径よりも分子量が大きいことを利用し,NF以上の分離性能を有する膜により分離する。
長所  他の原水汚染にも対処でき,守備範囲が広い。  コストに優れることが多い。装置が比較的単純で維持管理がしやすく,自動化に有利である。  他の原水汚染にも対処でき,守備範囲が広い。維持管理費を自動化しやすい。
短所  活性炭の交換や廃棄が必要。併存物質等による影響を受けやすいので,処理持続可能時間などの条件が予測しにくい。  騒音が発生する場合がある。空気の汚染が著しい場所では採用しにくい。排気処理が必要。原水中にマンガン等参加して不溶化する物質がある場合に前処理が必要となる場合がある。  現時点ではNFクラスの膜処理は高価になりがちである。回収率が低くなる。

 エアレーションの方法には,曝気式,充填塔式,噴水式など様々なものがありますが,充填塔方式が多いようです。

5)検出方法

 GC−MSなど。


特記事項

 とりあえずスタブ。

【参考】



目次 

水道への影響
 基準,毒性や障害,汚染源,対処法,検出法について。水道としての視点からとりまとめました。

特記事項
 当該物質に関連した情報について集めたものを掲載。


備考・出典


更新履歴

  • 121017 新様式で作成。


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