種別変更・廃止等の実施について
- 厚生労働科学研究費健康安全・危機管理対策総合研究事業 令和元年度報告書『U-1 小規模水供給システムの現状と課題に関する研究(浅見 真理・島ア
大・沢田 牧子・安達 吉夫)』から、水道法の改正に伴う事業の休止及び廃止許可についての記載を抜粋します。
-
- これまで、法令上詳細に規定されていなかった水道事業等の全部又は一部の休止及び廃止に係る申請手続き及び許可基準が改正水道法(平成30 年法律第92
号、令和元年10 月1日施行)により明確に定められた。概要は以下の通りである。また、地方公共団体以外の水道事業者(その給水人口が5千人を超えるものに限る。)は、事業の休廃止の許可の申請に際して、当該水道事業の給水区域をその区域に含む市町村に協議しなければならないこととなった。
-
事業の休止及び廃止【省令の概要】
- 水道法に基づく事業の許認可等や、事業の休止又は廃止については、令和元年9 月30 日付けで改訂された「水道事業等の認可等の手引き」において、許認可等及び休廃止に際しての留意事項及び申請書審査上の基本事項が示され、この手引きに十分留意しつつ、地域の実情、歴史的な沿革等、それぞれの実態を踏まえて適切に取り組みを行うよう求められている
- また、近年では計画給水人口が100 人以下に減少し、実態として水道法上の定義から外れることから、簡易水道事業を廃止し、その後飲料水供給施設として飲料水を供給継続していく施設の事例がいくつか出てきている。これらのケースでは、対象地域の給水人口の顕著な減少や地理的事情により、他の水道事業との統合や官民連携の実施が困難な状況にあり、単独で簡易水道事業としての要件を満たすことが難しくなった場合、実態に即して、水道法で明確に示された廃止許可の手続きを行うことがある。しかしながら、この廃止に係る手続きにおいては、単に簡易水道事業の廃止を行うだけではなく、住民が居住している限りは、その後の安全な飲料水の給水確保が必要不可欠であり、水道部局だけではなく、地方自治体全体の問題として取り組みを行い、各自治体の部局間での密接な連携が必要となる。
- 国の施策の一環として、生活基盤施設耐震化等交付金による支援策の拡充案が「令和2年度当初予算案」で示されており、これは生活基盤施設耐震化等交付金の支援策を拡充して、令和元年10月1日に施行された改正水道法及び「水道の基盤を強化するための基本的な方針」を踏まえた人材育成や施設整備に対する財政支援を実施すること、とされている。この中で、給水人口の減少等に伴う事業規模の見直しに伴って、施設の整備事業が必要な場合の財政支援の実施が検討されている。人口減少が進む簡易水道等にあって、地方公共団体が今後も継続して事業運営を行う上での財政支援として活用できると考えられる。
◆ 関連資料
- 令和2年度水道関係予算について(黄色部分が関連箇所)→こちら
- 水道法における事業の休止及び廃止の整理(厚生労働科学研究 平成29年度報告書 資料1-2)
→こちら