災害の概要

• 場所　山形県村山広域水道、4市4町
• 時期　2013年7月18日被災、収束までおよそ9日。
• 分類　集中豪雨による濁度超過

　梅雨末期特有の長期にわたる断続的豪雨。鶴岡市で1時間降水量64.5ミリ、西川町で24時間降水量350ミリを記録。結果、県企業局の想定を超える濁度（最大2940度）が長い期間にわたって続いた他、管路にも被害。

被害の状況

水道が受けた被害

• 村山広域水道西川浄水場（急速ろ過方式、計画給水量125,500ｍ3/日）で、濁度超過取水・給水停止。
• 南陽市上水道、送水管破損。
• 白鷹町上水道、取水口水没。
• 庄内南部広域水道、濁度超過取水停止。
• 飯豊町中津川簡易水道　送水管破損給水停止。
• 西川町大井沢簡易水道、取水口閉塞給水管破損、取水停止。

水道による二次被害

• なし

対応と対策

平時の備え

• 断水を想定した具体的対応指針はなく、地震などの危機管理マニュアルを準用し、公立の病院や福祉施設などに優先給水した。
• 山形市と東根市について、、独自水源の浄水場と受水している浄水場の間に水を融通する連絡管を敷設していたことが被害を抑えられたとされる。

応急対策

• 防災無線やホームページ、エリアメール、広報車、ビラで断水通知や節水呼び掛け。なお、断水広報後、各家庭で一斉に貯水したために断水が早まる事態が発生。
• 日水協の災害時相互応援協定に基づく給水車派遣。
• 天童市、河北町、大江町に自衛隊給水車派遣。
• 山形市は、蔵王ダム系から県水系への連絡管を、自動流量調整が整備されてない未完成の状態で、職員が流量を確認しながら手作業でバルブの開栓を行なった。
• 県企業局、村山地域6市6町の担当者らを集めた対策会議で、水道用水の供給配分を管内市町で調整し、天童市の供給量を1時間当たり700トンから780トンに、河北町は同290トンから340トンにそれぞれ増やし、代わりに他市町の供給量を減らして対応。

抜本対策

• 村山市からは県に近隣市町間での給水を融通し合うため、送配水管の連結を行う事業への補助制度の構築が要望される。
• 第1回浄水能力強化検討委員会で、薬剤注入量の増加、浄水池の容量アップ、汚泥を排出する機能の強化が課題に挙がり、まずは濁りを沈殿させる薬剤の注入量を増やすため予備機を導入し、年度内には使用中の注入機を改修することに。

教訓

• 他系統との融通できる連絡管は、災害の被害軽減に有効。
• 災害の激化に備えた浄水能力の強化が必要。

災害データベース

• 災害の概要
• 被害の状況
• 対応と対策

備考・出典

• 事故事例データベースに記載。詳細レポートのお問い合わせはこちらへ。

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更新履歴

• 180820　作成。