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ダイオキシン類 DXNs

 各物質に関する情報をとりまとめたコーナーです。片っ端から集めた情報を載せる予定です。


水道への影響

1)水質基準項目

 【監視項目】 水質基準値 1pg-TEQ/L。

 水道で扱うダイオキシン類は,ポリ塩化ジベンゾ-バラ-ジオキシン,ポリ塩化ジベンゾフラン及びコプラナーポリ塩化ビフェニルについて,等価毒性計数TEFを乗じて計算したTEQで扱います。TEFとは,ダイオキシン類には75種類の異性体が存在するため最も毒性の強い2,3,7,8,-TCDDに換算するための換算係数です。TEFは,今後知見が積み重なるにつれて変更される可能性があるので,生データは棄てないようにしましょう。

 余談ですが,環境統計集によると,我が国におけるダイオキシン類の一人一日平均摂取量は,平成12年度で1.45pg-TEQ/kg/日とのこと。対して,許容摂取量(TDI)は4pg-TEQ/kg/日です。即ち,体重が60kgの人で考えた場合,通常,平均的に毎日90pg-TEQ程度のダイオキシン類が体内に入りますが,許容摂取量が240pg-TEQであるので大丈夫,てな感じです。意識して大量に水を飲むのでない場合,一日の摂取量はせいぜい2L程度ですから,基準値一杯でも2pg-TEQ程度を上限にしていることになります。これは,同じ人が空気から平均的に摂取される量3pg-TEQよりも少ないことになります...まあ,大体において1pg-TEQもダイオキシンの入ってる水ってのは混入事故でもない限り考えにくいとはいえ,水道水質基準ってちょっと厳しすぎるんじゃないの?なんて例ですね。

2)毒性や障害

 非常に強い遺伝毒性をもち,一説には「人類が手にした史上最強の毒」との評価も。発ガン性,催奇形性,生殖毒性(生殖細胞に悪影響を及ぼす性質),皮膚障害,精神・神経障害,ホルモン阻害。母子間の移行あり...とまあ,なんでもありです。

3)汚染原因

 ゴミなどの焼却,漂白工程や塩化フェノール中間体使用化学工場などから,意図せずに発生することが明かになり,対応が急がれています。大気中に放出されると,一部が光分解されるものの,堆積物や浮遊物に吸着されるとされ,また生物分解されにくく,生物濃縮されやすいという厄介な性質があります。

 また,実は都市域よりも農村域の方が,ダイオキシンリスクが高いらしいことが,最近の研究によって明らかになってきました。もちろん,これは,農薬の不純物にダイオキシンあるいはダイオキシン様の物質が含まれるためです。以前に使用された品質に問題のある農薬類や,極微量に含まれる不純物としてのダイオキシン類は,主として米作の特徴である代掻きの際に水系に流出してきます。

 さらに,フェノール類と塩素の接触によっても極微量ですが発生する可能性があるということで,研究が進められているそうです。

 水道水源,水道水中のダイオキシンの実態については,水道水源における有害化学物質等監視情報ネットワーク(厚生労働省,(財)水道技術研究センター)のほか,環境省の取り組みもあります。

 ただ,基準が 1pg/L と正気では考えられないような低い値ですので,このさらに下のレベルで考えるとなると,複雑な有機化合物,たとえば農薬などの不純物として含有したり生成したりする可能性はあります。

4)処理方法

 ダイオキシン類は,構造からみても,水に混じることはあっても水に溶けやすいような性質をもつ物質ではありません。水中で観測されるダイオキシン類は,主として水の中に混じっている懸濁質にくっついて混じっているので,油の流入を防ぎ,普通の浄水処理をして懸濁質を十分除去することで,水道の汚染に関する懸念はほとんどなくなるといわれています。活性炭吸着も同様の理由から有効とされます。

 このように,通常は水道水中のダイオキシンについてはまず心配する必要はありません。ただし,水源の汚染(事故などによる油の流入などは特にリスクとして大きい)に対する配慮は必要です。

5)検出方法

 特許庁のサイトが参考になりますので是非ごらんください。ただ,[pg/L]の単位の有機化学物質を測定するとなると,濃縮の工程がその精度に決定的な影響を与えます。精密な観測をできる業者は全国で十指に余るとさえいわれています。この場合,最低でも200L程度の供試水が必要となるケースもあるので,安請け合いしないように気をつけて下さい。

  • ダイオキシン測定技術(リンク切れ)@【特許庁】,【特許流通】(リンク切れ)
     特許流通,技術分野別特許マップより。詳しい解説付きで勉強になります。

 このような背景から,簡易測定法に関する研究が盛んです。以下のサイトをご参考ください。

  • ELISAキット【武田製薬】,【生活環境カンパニー】(リンク切れ)のページから。
     ELISA法とは,抗体などを酵素で標識し,対象物質を高感度に測定する方法。環境試薬の販売に関する情報を掲載しています。

【備考】


特記事項

 有害化学物質情報のひとつとして,内分泌かく乱物質,ダイオキシンは関心の高い項目ですので,ネット上でも多数のサイトが掲載されています。有名な検索サイトなどから調べてもらうといくらでも見つかるでしょう。

 また,公的機関による告知が多数あるのも特徴的です。総合案内クリアリングシステム(総務省)で探してみてください。いっぱいヒットします。

 ただし,一時期のヒステリックな騒ぎは既になりを潜めているようです。全く,熱しやすく冷めやすいってのはこのことなんでしょう...

【参考】



目次 

水道への影響
 基準,毒性や障害,汚染源,対処法,検出法について。水道としての視点からとりまとめました。

特記事項
 当該物質に関連した情報について集めたものを掲載。


備考・出典


更新履歴

  • 170615 リンク先変更。
  • 120913 新様式で作成。
  • 111118 水道水源の有害化学物質等監視情報ネットワーク:リンク先修正。
  • 111118 ダイオキシン測定結果@環境省:リンク先修正。
  • 111118 水生生物に関するダイオキシン調査結果について@国交省:リンク先修正。
  • 111118 ダイオキシン測定技術@特許庁:リンク先修正。


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