水道技術経営情報
 コンサルタントの水道技術経営パートナーズが運営する、水道技術や経営の情報サイト「狸の水呑場」へようこそ。お問い合わせはこちらへ。
Powered byGoogle

直圧給水 Water Service without Receiving Tank

 直圧給水について。まずは場所から。

【参考】


直圧給水

1)水理条件の把握

 配水圧の最低確保水準の1.5kgf/cm2(0.147MPa)は,木造2〜3階建程度の家屋を想定したものです。しかし,これではある程度以上の高さを持つ建物に給水することができません。このような高い建物には,地上もしくは地下に受水槽と呼ばれる水槽を設けていったんここに水を溜め,ここからポンプで直接,あるいはビルの屋上に設けた水槽を通じて給水することが行われます。しかし,受水槽の衛生管理がずさんなことが多く,水道事業者が供給した水に問題がなくとも,給水水質が劣悪になる問題がクローズアップされるようになってきました。

 これに対して,何らかの方法で高い水圧を与え,一定の高さ以上の建物に対しても直接給水をできるようにすることを直圧給水といいます。

 直圧給水には大別して3つの方法がありますが,一長一短といったところでしょうか。

  • 配水区の水圧を上昇する方法
     配水区の配水水圧をすべて上昇する方法。抜本的な施設レベルの向上が図れますが,漏水の増大を招く,現有施設の設計条件の変更につながる,現有配水池の全面的な更新が必要となる,など,予定外の投資を必要とする可能性があります。
  • ブロックを加圧する方法
     配水区を限定的な範囲に区切って高度な維持管理を行う方法をブロックシステムといいますが,このうち水圧を高く設定するブロックと,そうでないブロックを区別する方法です。ブロックシステムの導入が必要になりますが,全体を昇圧するよりは影響を限定できます。
  • ブースターポンプによる方法
     配水管,もしくは給水管にブースターと呼ばれる増圧ラインポンプを設置する方法。ビル単位で増圧が可能で自由度が高く,配水システム全体への投資は必要ありませんが,他に影響が及ばないようなポンプの開発,ポンプ故障時の対応,維持管理の問題など結構いろいろ難点もあります。

 今般の水道法改正により,小規模受水槽の維持管理に関する義務はより厳しくなり,水道事業者に検査の権限が付与されましたので,受水槽方式の維持管理圧力が高まることになりました。この結果,維持管理の手間が必要な受水槽方式を嫌う形で直圧給水のニーズも今後ますます増大するでしょう。ただ,現段階ではこの方式に関する準備が整っていない事業体もあるようです。

【備考】



目次

直圧給水
 ビルに給水するときに受水槽を設けず,直接蛇口まで送り込む方式。


備考・出典


更新履歴

  • 120817 新様式で作成。


WaterPartnersJP all rights reserved >>index >Top