水道技術経営情報
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目標年度 Target Date

 目標年度の決定方法について。結構簡単に決めてしまう傾向が強いですが,計画全体に大きな影響を与えます。

【参考】

目標年度

 全ての計画の立案において,目標年度は,まず最初に決定する事項でしょう。大抵の計画では,業務特記仕様書に記載されてる計画の前提事項です。

 目標年度は計画年度から15−20年先を目処(設計指針を参考のこと)とします。時系列分析などの精度を考えるとこの程度が限界です。これ以上の期間を推定する場合は,その予測としての精度に問題がある旨了解を取ったほうが無難です。

 また,目標年度は,西暦でみて5で割れる年(2015,2020など)とするのが原則です。このことにより,国勢調査や,これに基づいて作成される自治体の基本計画との整合も図れます。他の統計資料を使用するときに役にたちます。

 上位計画など,他の計画との整合性に配慮しましょう。たとえば,事業体の上位計画や用水供給事業などと同じ計画年度とする方が説明しやすいものです。

 人口や給水量などの目標値を提示されている場合,計画年度を動かして微調整をすることがあります。もちろん邪道ですが。

【備考】


事業スケジュール

 水道事業の計画から実施,給水開始に至るスケジュール設定は,水道事業を新設する事業者にとって頭の痛いところです。なるべく簡単にまとめてみたいと思います。

事業者 自治体 国・県 期間 概要
  根回し   数年  日本特有かもしれませんが,水道の設置を望む住民の要望がまず先にあります。
  基本構想   1年  地域にとって水道の建設が必要かどうか,他の事業との優先度はどうか,実現するとすればどのような形式になるのか,など大枠を決めます。自治体のマスタープランと併せて取り組むのが普通です。まったく新設の場合,この段階では水道事業を担当する部署がない場合があります。
  水源確保   1−数年  基本計画の策定と平行し,最も重要な水源の手当てを行います。ここの段取で事業全体が遅れたりします。特にダムを水源とする場合など,非常に長い期間が必要になるケースもあります。また,取水の確実性に関する情報収集をこの時点でしっかり行っておくことが重要です。
基本計画 議会議決 相談 1−数年  実施の意思がある程度固まった状態で,どのような水道が地域にとって望ましいのかを検討する作業です。大枠のグランドデザインを作成しますので,この段階が重要です。通常1年程度の期間で十分対応できますが,企業団方式など,広域的に事業を行う場合では,事業方針の確定に時間を要する場合があります。
認可申請   創設認可 1−2年  認可申請は通常1年かかるものと考えてください。その年,タイミング,運によって必要な期間が大きく伸びる場合もなきにしもあらずです。
施工 予算決算 補助 1−5年  認可を受けるといよいよ施工です。通常,上流側,すなわち水源,浄水場,配水池,管路,の順で施工していきます。可能な地域からどんどん給水を開始し,料金を徴収していきましょう。簡易水道規模であれば数年から5年程度で全体工事が完成しますが,事業主体の財政力によりかなり事情は異なります。
計画変更   変更認可 10年毎  計画は10年程度の周期で見なおします。また,需要が急伸したり,水源が減退したり,その他事業の根幹にかかわるトラブルが発生した場合はこれを前倒しします。

【備考】



目次

目標年度
 目標年度の設定に関するちょっとしたノウハウです。

事業スケジュール
 事業の遂行に必要な期間について。


備考・出典


更新履歴

  • 120813 新様式で作成。


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