水道技術経営情報
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計画及び施設概要 Planning and Designing

 ここでは水道の計画に役にたつ一般情報と,計画策定に関するノウハウ,個別項目の決定方法について掲載します。

【参考】
 水道の歴史,現状,課題などは,「計画の分類」の内部項目にまとめました。

計画・設計の種類

 計画・設計手法は目的によっていくつかに分類できます。ここでは,計画の種類ごとにその手順を取りまとめます。

1)調査・研究・開発段階

  • 水道の歴史と現状
     日本の水道がたどった歴史について。私はあんまり詳しくないのですが,場所さえ作っとけばいずれだんだん充実するでしょう。
  • 海外水道事情
     まずは場所から。現時点では,海外関連を置いておくための場所に過ぎません。
  • 工業用水道
     工業用水は水道とはまた別の供給システムです。まずは場所から。
  • 水道の種類
     簡易水道や用水供給事業,専用水道など,制度上いくつかの種類があります。えらくややこしいです。
  • 水道の統合
     広域化の一環として水道事業の統合に関する問題が噴出します。関連サイトなどを紹介...って大してないですが。
  • 別の水道システムの提案
     現在の水道システムを一端棚上げし,まったく別の水道システムを作ったらどうなるか...少し荒唐無稽な提案も含めて提案してみました。当ページの1周年記念企画です。(^o^)
  • 多元給水
     多元給水とは,使用に合わせて複数のレベルの水質の水を供給するシステムです。上水道と中水道(雑用水道)の2元給水は福岡市などで一部実用化されています。上質上水道のアイデアもありますが,当面は上水道自体のレベルアップの方が現実的とか。

2)経営計画段階

 水道の基本計画のあり方は時代の変化とともに変わりつつあります。普及促進を命題とした時代はすでに昔のものとなり,これからの水道事業は,経営の継続(ゴーイングコンサーン時を第一の命題としなければならない時代に入ってきております。

 実のところ,まだこのことは十分に認識されていないように思われます。そこで,ここで経営計画の手順について示すこととします。

  • 経営診断と計画方針
     既存の水道事業が対象の場合,事業の継続のための経営面からみた計画策定が必要で,これを前提とした投資計画を策定する必要があります。

3)計画段階

 経営計画計画段階では,水道事業全体のグランドデザインや配置,長期的展望などの方向付けや大枠を設定する作業を行います。ここでの検討によって,水道事業の将来展望を描きます。
 ところで,水道の基本計画のあり方は時代の変化とともに変わりつつあります。

  • 基本構想・基本計画
     水道全体,もしくは一部を対象とし,長期的展望のもとにその進むべき道筋を探る作業。根拠付けにとらわれなくてすむ代わりに,定例にとらわれず,視野を広く持ち,将来を見通すセンスが求められます。
  • 認可計画
     基本計画をたたき台に,利害関係者や監督者(国,県など)合意形成のために申請書としてまとめる計画です。説明責任が重視されるために,なるべく定型としなければなりません。

 計画設定の手順については以下を参照してください。

4)設計段階

 設計段階で大枠で決まった事業計画の実現にむけて,特に水道施設の設計を行う段階です。

  • 概略計画
     十分かつ信頼できる情報が入手できない場合に,おおむねどのような事業になるかを想定する場合の検討を差します。同等規模,特徴をもつ計画事案などを参考に,施設規模などを想定するノウハウは,経験のみによって培われます。通常,計画段階や予算確保のために行います。
  • 実施基本計画
     構造物の詳細設計を行うための基本的な事項を決定する設計作業です。実施設計と一体で発注される場合が多いですが,用地設定や施設能力など,実施基本計画の決定条件で詳細設計範囲と作業内容が変化しますし,設計作業を委託するときの根拠にもなるので,本来は分離したほうが合理的です。
  • 実施設計
     構造物の詳細設計を行うための基本的な事項を決定する設計作業です。実施設計と一体で発注される場合が多いですが,用地設定や施設能力など,実施基本計画の決定条件で,詳細設計範囲と作業内容が変化するので,これは分離したほうが合理的です。

 設計の手順については以下を参照してください。

5)施工段階

 実際に工事をするにあたっての手順など予算確保や実施設計を行うための仕様の決定作業もあります。

  • 施工監理
     施工時に工事が予定通りに実施されているかどうかを確認する作業。一言に工事監理,施工監理といっても,実にさまざまなかかわり方がありますが,ここでは少しでも紹介できればいいかなと思ってます。
  • 補助申請と精算設計
     補助申請とは,水道関連の補助金を受けるために,その事業が補助要件に当てはまることを説明し,その設計根拠を明らかにするための申請です。精算設計とは,工事実施後に設計から変更になった部分などを報告,最終的に補助金がどのように使用されたかを明らかにする書類を作成する業務です。
【備考】
とりまとめかた工夫せんと...

計画の手順

1)基礎調査

 業務を開始するまえに,計画の背景を確認しましょう。事業,水源,施設,財源などの概要もつかんでおく必要があります。認可申請では,既認可を参考にすれば,計画根拠資料を収集することは比較的容易です。ただ,推計資料のほか,水源,施設,条例など,収集の範囲は広くなります。

  • 目標年度と事業スケジュール
     目標年度設定に関するちょっとしたノウハウ。
  • 給水区域の設定
     給水区域の設定のほか,普及率についてもとりあげました。
  • 経営診断
     現状の経営が適切になされているかどうかの診断方法について示す予定。
  • 機能診断
     施設の能力を維持するための方法について。

2)資料収集

 資料の吟味が終われば計画は八割方完成したも同然。それくらい資料収集は重要で,かつ困難なものです。資料収集には,一見して見えにくい苦悩と,経験によってしか得られないコツがあります。

  • 資料収集
     収集資料のリストと統計データを読むときの注意点について。
  • 水道施設の位置
     水道施設の位置と,地図入手作成関係のサイトについて。

3)事業計画

 事業計画とは,狭義では,需要者や需要水量の推計作業を指します。需要の見通しは,その後の事業全てを規定する,もっとも重要な作業といえます。基本計画であれば比較的自由度がありますが,認可申請の場合はあまりユニークな計画では審査者の理解を得られない場合が多いので,定型を利用することになります。

4)水源計画

 需要を満たす水源を確保できるかどうか。水源の手当てができないのであれば,最悪の場合,給水区域の縮小が必要になります。なお,浄水場の計画は水源計画と密接に関係するので,いっしょに検討しておくほうがいいでしょう。

5)施設計画

 需要と水源が確定できれば,これを結ぶ水道施設を計画することが可能になります。基本計画では,施設の能力や配置などについて検討します。認可の場合は既存施設の概要を整理し,申請書にまとめる必要があります。また,基本計画ではほぼ必要ない構造計算が必要になります。用地も確定してないのに構造計算書を要求するのは変なんですがねぇ。

6)財政計画

 事業計画と施設計画により,財政計画を策定できるようになります。財政的に成立しないようであれば,給水区域の再設定や,水源の見直しを行わなければなりません。事業体側の既存料金体系との関連から,財政担当部局が担当する場合がありますので,作業開始前に確認が必要です。

  • 財政計画
     財政計画の策定手順について。

【備考】


設計の手順

 ここには,実施設計に関係するデータを個別に示します。施設毎の仕様は各々の施設ごとにまとめましたので,一般的な情報についてまとめると同時に,施設ごとのページにジャンプできるようにしてみました。

1)概略設計−実施基本設計

 構造物の基本的な仕様を決定する手順に関するもの。この段階では構造の全体的な姿を決めて行きます。

2)実施設計

 実際に構造物の仕様を決めていく手順です。構造物ごとに,他のカテゴリーにおいてあります。

  • 配水池の設計
     配水池の実施設計について,配水のカテゴリーに掲載。
  • 管路実施設計
     全然体系化してません。まずは五月雨式に資料整理がてら。

3)詳細設計

 構造物全体について決まったあと,さらに細かく付帯設備などについて詳細設計を行います。チェックポイントを工事種別の区分で整理しました。



目次

計画の分類
 基本計画,認可計画,概略計画,実施基本計画など,目的や情報に応じてさまざまなランクがあります。

計画の手順
 水道における計画の策定について,手順を追ってその方法を示します。

設計の手順
 水道における実施設計関連のノウハウについて。


備考・出典


更新履歴

  • 120810 新様式で作成。
  • 010806 分離。


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